これは昨日の記事とつながっていますので、先にコチラをお読みください。
では後編です。
澄み切った冬の青い空。
清清しい空気と穏やかな海の色。
気持ちよさそうな母の寝顔。
・・・ってどう考えてもその体勢はおかしいだろう!?
~11.13の記憶~後編
よくよく見ると、母のかけていた眼鏡が、落ちた衝撃であろうが壊れていて、耳にかける部分がザックリと右目のすぐそばを傷つけていた。さらに落ちた衝撃であろうが頭を打ったようで、これまた右目のすぐそばまで腫れが迫っているではないか
だというのにこの幸せそうな顔は如何したものか。状態と表情の乖離が痛々しい。
この日、母の悪運の強さを物語るのは、たまたま一緒にハゼ釣りに行った友人が看護士だったということだ。不穏な空気を読み取り、私と反対側から母に近づいてくると、てきぱきと応急処置を施してくれた。
その間父はというと、私の異変に気付き近づいてきたものの、通路は狭いため(釣り船の通路というのは、そこに立ったり座ったりして釣りをするので広くない)私が邪魔で母に近寄れず、仕方なしに私を中央デッキに上がる階段に押しやって一言。
「あ、馬鹿っ!」・・・。
そう言いたくなる気持ちはよぉ~くわかるが。わかるが最初の一言が「馬鹿」って・・・f(^^;)私が父に母の所在を聞いたとき、父が前方を指して「ん」と行ったのは、その先にあった船内への扉の先ではなく、その上のデッキのことだったのです。(デッキと言えるほど大きくはないですが)デッキに上がるためのほんの2,3段の階段に母は腰掛ていたようでした。
とにかく本人の意識がないというヤバヤバな状態でしたので、看護士さんの指示で、父がずっと喋りかけていました。(多分この先の10年分くらい喋りかけたと思う)で、楽しかったムードが一変して張り詰めた救急救命病棟になり、動転した船のドライバーさん(ていうのか?)が速度を上げて釣り船をジェットスキーに変身させ、救急車も船着場に呼んでおいてもらうよう手配して、私たちは船着場を目指した。
階段に押し上げられ、上から母の状態を見守るしかできなくなった私は(階段の真下のスペースに母を横たえて応急処置をしているため、下りられなくなった)、事故発生の時間を確認しておくことしかできず、後は看護士さんの手先をずっと見ていた。で、必死の処置と父が話かけた甲斐あって、母が目を覚ました。
上にいる私には聞き取ることは叶わなかったが、ここはどこ、とか言ったらしく、父が説明しているのが聞こえた。しばらくすると、色々理解したらしく、涙声で「ごめんね」と言った。ひとまず一安心。理解した上でケタケタ笑い出したらどうしようかと思ったが正常なようだ。
やきもきしている間に船着場に到着。出航していた船が我等の一隻だったので、もちろん空いてるスペースも一隻分。なのに、ジェットスキーのまま突っ込んでいく。わずかな隙間に高速で突っ込んでいく恐怖!母だけでなく全員が死の恐怖を味わった。
ぎいやあぁ~!
到着すると、すぐ救急隊員さん達がわらわらとやってきて、母を担ぎ出していった。救急車には父が付き添い、私たち(旦那もいたのです)は一度戻って荷物を置いてくることにした。搬入先の病院が決まったら連絡してねと父にお願いして家に戻りました。
後日談で驚いたのは、船の上で喋っていたことを母が覚えていなかったこと。
本人の記憶では、たっぷり遊んで、帰りはデッキの階段に腰掛け、風が気持ちいいなと思ってうとうとしたところまでだそうで、気がついたら病院にいたのだそう。推測するに、うとうとして体がこっくりこっくりするのと、船の振動の素晴らしいシンクロでころりとデッキから落ちてきたに違いない。
どちらにしてもおそろしや。
・・・覚えてないって幸せなことなんだなぁ。私はしばらく、あの光景を忘れられそうもない
ついでに暴露話。救急車の中で隊員さん達が母本人に話しかけたことも覚えてないと言っているが、「名前は?」「ここはどこだかわかりますか?」などには答えていたのに「年齢は?」のみ口を噤んだそうなので、
なんだかすごく意図的なものを感じます
こうして一度目はガンの闘病、二度目は事故からの生還を果たして今回のリライフ活動が始まっていくのです。
お母さんお願いだから「2度あることは3度ある」は、やめてね3度目はン十年後に自然にお願いします
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病気になっても尚明るく生きることの大切さなど、訴えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
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